温室泉質ランキングガイド

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温泉通の入湯ノウハウ

  1. 入浴の歴史

    お風呂の歴史は大変古く、6世紀に渡来した仏教の沐浴から始まり、多くの寺院で沐堂を構えて施浴が行われていたといわれています。そして平安時代の末には、銭湯のはしりともいえる「湯屋」が誕生しました。奈良時代に始まった施浴の習慣は鎌倉時代に最も盛んになり、室町時代には、風呂のある家では人を招いて風呂をふるまう「風呂ふるまい」が行われました。やがて江戸時代には庶民が利用できる銭湯の文化が定着しました。しかし初期の風呂は、膝から下を湯に浸し上半身を湯気で蒸す「蒸し風呂(現在のサウナ)」が主流でした。それから現在のように、首まで湯に体を浸す「据え風呂」が登場し、明治、大正、昭和、平成、現在へと設備やサービスが時代とともに向上し、今ではテーマパーク的要素を含んだ銭湯も登場するなどして、私たちの生活により親しまれています。

  2. 温泉・源泉・泉質の違いとは

    簡単に温泉 源泉 泉質の意味を整理すると、地下から湧出してきてすぐのお湯が源泉 その成分が泉質となります。また源泉をタンクに貯めたり、他から引っぱってきて施設内の湯船に貯めたのが温泉となります。つまり源泉かけ流しは源泉=温泉ですが、循環・塩素入りの場合は源泉≠温泉となります。一般的には温泉という言葉しか使わないので混同されて理解されているのが現状です。そして温泉の最高レベルは足元湧出といって、湯船の床下から源泉が湧き出てきてそのまま湯船に溜まるというものですが、源泉が出てきた時間と肌に触れる時間に差がないため鮮度の良い源泉をそのままを味わえる優れものです。

  3. 湯船の型と構造 、大きさとは

    温泉好きの間では、昔から四角の湯船には外れなしと言われており、良いと言われている温泉は不思議と四角が多いものです。また湯船も床から高くなっている構造で、跨いで入る湯船と床より低くなっている湯船とがあります。本来湯船は、土からお湯が沸いているのを見つけてその周りを掘った所にお湯をためた事が始まりなので、その構造からも床より低い湯船が基本とされています。また湯船をあまり大きく作らず程々の大きさの湯船が数あることで、源泉が空気に触れるまでの時間が短くでき、逆に湯船を大きくすることは、お湯が溜まるまで時間がかかり湯質の酸化が避けられないこととなります。

  4. 深さのある湯船の意味とは

    科学的にも約60cm以上の深さのある湯船が体には良いとされており、そのことには大変深い意味があります。理由としては、深さによる水圧で体に微妙な締めつけ感が生まれ、これがマッサージ効果にも繋がるためです。また60cm以上の深さだと湯船に段差を設けて腰かけられるようにするなどの構造になるためです。一般的に湯宿の湯船の深さは判で押したように50cmの場合が多く、その深さだと入浴する際には湯船の底に寝そべる形で入浴することになります。このように湯船の底に体を付けることは、他人の垢に触れることにもなり衛生的にも良いものではありません。

  5. 露天風呂の良さと 、内風呂の良さとは

    一般的に温泉は露天風呂があることの方が好まれる傾向にあります。確かにロケーションが良いところを条件として、開放感がある露天風呂はやはりすばらしいものがあります。しかしそれほど良いロケーションが期待できない場合は、内風呂であることをおすすめします。その理由としては、内風呂は湯気を逃がさないためで、温泉成分が含まれた湯気を体内に吸い込む(泉質を吸う)ことで血の巡りが良くなることや、お湯の香りも満喫することができるからです。

  6. 飲める温泉とは

    これはお湯が新鮮だという証しとなります。さらに有害物資なども含まれていない安全なお湯だとも言えることにもなりとても大切なキーワードです。(日本には飲泉が出来る源泉は約4000湯ほどありますが、源泉掛け流しでも泉質に含まれる成分量により飲泉が出来なかったりと保健所の飲泉許可のハードルが高いのが現状です。)言い伝えでは温泉は神様が作られたものとされており、最初は入浴するなど恐れ多くためらいがあったのでしょう。せめて「飲ませていただく」くらいに止めておいたというのが昔の人々の考えなのではないかと推察されます。

  7. 飲泉の仕方とその意味とは

    ヨーロッパでは温泉療法は「飲泉」を意味するほど普及しており、「入る」より「飲む」ことの方が主流となっています。理由としてはミネラルの摂取を目的としており、コップ1杯分ほどの量を一日で朝・夕の2回、一口ずつゆっくりとかみしめるように時間をかけて飲むようにしていきます。飲む時間帯としては基本として食前の空腹時となりますが、鉄泉と放射能泉は食後となり泉質によって空腹時か食後かで違いが出ます。また飲泉によるミネラル(カルシウム)の摂取はストレス解消にも繋がります。しかし塩分の多い取り過ぎに注意が必要な泉質もあります。

  8. 入浴熟練者の入浴方法とは

    入浴の際には当然かけ湯をしてから入浴することになりますが、ここで注意していただきたいのが、すぐには湯船には入らずに「くるぶし」と「ひざの裏側」までを湯船に入れて足先を十分に温めてから入浴するようにしていただきたいことです。つまりひざ上までを湯船に約1分半ほど入れてリンパの流れを良くしてから入浴することが、体にとってもよいことであるのはもちろんのこと、これから享受する源泉力の恩恵を体に無理がなく浸透させるための準備としても意味があるのです。

  9. 温泉地での滞在期間と一日の入浴回数・入浴時間とは

    温泉旅館の滞在期間としては、出来ることなら2日間以上は滞在したいものです。理由としては温泉に体をならすためで、徐々に入浴回数を増やしていくようにします。また入浴の時間帯としては、食後を避ける以外はいつでもよいのですが、夜寝る前には短時間の入浴で体にホテリを残さないことが深い眠りのためにも大切なこととなります。また一回の入浴時間は長時間を避け、数回に分けて入浴するように心がけてください。一日の入浴回数の目安としては、1回15分ほどの入浴とし、できれば4回ほどをおすすめします。

  10. 源泉の泉質による正しい入湯順番とは

    皆さんは温泉が火山と関係があることはご存じだと思いますが、温泉と火山の関係性をもっとよく考えてみると、源泉の泉質による正しい入湯順番がわかってきます。そもそも温泉は雨水や雪解け水が火山による地中の熱で温められたものなので、それらが火山のどの地層を通ったかによって源泉の泉質が決まってきます。つまり山の麓の温泉はお湯としても上澄みともいえる円熟した泉質が多く、山を下山するがごとく入湯していくことが理にも適った入湯順番となるのです。

    ■1番目の入湯「クリアな美肌作用のある源泉」
    「硫化水素イオン」と「チオ硫酸イオン」「遊離硫化水素」が含まれる(硫黄泉)に入湯
    毛細血管の拡張機能が働き、血の巡りが良くなることで、酵素や栄養が順調に供給され、同時に滞りがちな老廃物も運び出されて、その結果クリアな美肌へと導いてくれる効果が期待できます。また、殺菌作用が強く上皮の角質をやわらかくして溶かしてくれる作用があることから、テカリ肌やニキビ肌、毛穴の黒ずみにも効果があり、さらに最近ではシミとなってしまうメラニン色素の生成抑制効果があることも明らかとなっており、美白効果や活性酸素の働きを抑える作用も期待できます。しかし肌への刺激も強いため、人によっては入浴後にシャワーなどで体についた温泉成分を洗い流すことも必要となります。
    ■2番目の入湯「お肌のアンチエイジング作用のある源泉に入湯」
    「硫酸イオン」と併せて泉質に「水素イオン」(旧酸性泉)が含まれているか、または「アルミニウムイオン」(旧明礬泉)に入湯
    殺菌作用や制汗作用で肌表面に付着している細菌も退治してくれる効果が期待できます。酸性泉は皮脂のみならず表面の角質を溶解・除去する(ケミカルピーリング)効果や、また旧明礬泉は皮膚の組織や粘膜を引き締める収れん作用(アストリンゼント)によりお肌のキメを整え、たるみに対抗するリフトアップ効果が期待できます。つまり肌のアンチエイジングにはピッタリの泉質であると言えるものです。しかし肌への刺激も強いことから人によっては入浴後 にシャワーなどで体についた温泉成分を洗い流すことも必要となります。
    ■3番目の入湯「パウダーでお肌の改善作用のある源泉に入湯」
    「硫酸イオン」または「炭酸水素イオン」と併せて泉質に「カルシウムイオン」が含まれる(旧石膏泉)(旧重炭酸土類泉)に入湯
    鎮静作用により乾燥肌のかゆみを軽減し、打ち身や火傷・切り傷・捻挫、また皮膚病では乾癬、慢性湿疹、ニキビなどの肌の改善にも効果が期待できます。石膏成分がお肌の上にうっすらと付着し落ちにくいことでパウダー効果を発揮し、肌触りが「しっとり」「さらさら」の美肌に導いてくれるのです。また石膏はその解熱作用により生薬として用いられることも多く、それゆえに石膏泉は飲用にも適しているのです。つまり石膏泉は体にもやさしい泉質であるといえるのです。
    ■4番目の入湯「お肌のクレンジング作用のある源泉に入湯」
    「炭酸水素イオン」と併せて泉質に「ナトリウム」イオが含まれる(旧重曹泉)に入湯
    古い角質層を柔らかくして皮脂や老廃物を乳化にして汚れを落とす石鹸のような働きをもつ効果が期待できます。重曹成分のもつ研磨作用はクレンジング効果が高く、肌の表面をなめらかに整え「スベスベ」にしてくれることで、美肌作りを助けてくれるのです。これはまさに日本の「美肌の湯」の代表的な泉質であると言えます。そして風呂上りはさわやかにスッキリした肌触りで清涼感があることから「冷えの湯」と言われることもありますが、潤いや保湿の作用がないこともあり、皮脂が奪われすぎることもありますので、入浴後の保湿ケアをすることでその効果が保たれます。
    ■5番目の入湯「塩のヴェールで保湿・保温作用のある源泉に入湯」
    「硫酸イオン」と併せて泉質に「ナトリウムイオン」が含まれる(旧芒硝泉)に入湯
    老廃物の排出・新陳代謝を高め皮膚を健やかにすることで、コラーゲン生産の促進作用や抗酸化防御機構の活性化作用が期待できます。ふわりとまとわりつくような質感のお湯により、皮膚の水分含有量を増加させることで、肌に潤いをあたえ弾力やふっくらとしたハリを与えて衰えがちな美肌力を活性化させてくれるのです。この成分は化粧品や入浴剤に保湿剤としてごく普通に含まれていることがあり、風呂上りはかけ湯をすることで温泉効果がより期待できるものです。また「ナトリウムイオン」が多く含まれることは「塩素イオン」が多く含まれることをも意味し、塩の成分が皮膚表面の脂肪やタンパク質などと浴水中の電界質イオンが反応し、ヴェールのように肌に付着することで、湯上りもそれが保護膜となり水分や熱を逃げにくくします。その作用で肌は乾燥を防ぎ、しっとり・ぽかぽか肌となります。美肌湯めぐりの総仕上げは、肌を塩分でやさしく包み込んでくれる旧芒硝泉で終了となります。
    ■6番目の入湯「泉質も柔らかく刺激の少ない単純泉に入湯」
  11. 美顔効果アップの入浴方法とは

    「美肌」のより一層の効果のために、「美顔」も忘れてはいけません。その方法としては、源泉湯元の湧出口のお湯を畳んだタオルに浸し、顔にパックして「蒸す」ことで、美肌のための泉質成分を享受することができます。また泉質によっては皮脂の除去や角質の溶解作用、皮膚表面の研磨作用が期待できるのと、顔のマッサージ効果にもなるためぜひ一度はやっていただきたいものです。しかし刺激の強い泉質や敏感肌の場合は入浴後に真水で温泉成分を洗い流すなどや、泉質によってはお肌の乾燥を防ぐための保湿トリートメントが必要となります。

  12. 硫黄泉の素晴らしさとお湯の肌触りとは

    硫黄泉は「温まり」はもちろんのこと特にその色に特徴があり、乳白色の神秘的な色には自然美とともに、思わず畏怖さえ感じてしまうほどで、マグマのエネルギーを最も与えられている若いお湯です。 またお湯の触感について、泉温が低めであったり、ペーハーが高い泉質のお湯の場合は肌触りが柔らかく感じられたりします。 さらに成分量が多い泉質は確かに温まるものなのですが、同じ温まる泉質の中でも食塩泉よりも硫酸塩泉のお湯の温まり方は何か上品な感じがするものです。これも温泉マジックとも言えることなのでしょうか。

  13. 名湯はなぜ眠くなる

    これは、入湯すると「温まる → 血管が開く → 血液が全身にいきわたる → 酸素が頭に廻りづらくなり → 眠くなる」温泉に入ると眠くなっていく作用としての自然の流れですが、自分に合う温泉ほど眠くなるもので、これが温泉探しのキーワードにもなります。泉質を大別すると11の旧泉質名に分けられますが、細かい泉名となると日本では約70種類くらいになります。それぞれ泉質は違えども共通のベースとなるのは、よい温泉は血行を良くする作用が大きいということなのです。

  14. 温泉との出合いとは

    人は何かを求めて旅にでます。好奇心、癒し、それは人それぞれです。 そこに行く楽しみ、日常とは違う旅のひと時で得られる解放感。それはまたかけがえの無いものでもあります。 また、皆さんが温泉の湯に浸かったときに、どんな気持ちになりますか? 不快になる人はまずいないでしょう。温かく、こっくりとした湯に浸かったときに、素直に気持ちが良いと感じるはずです。血流がよくなり、心も体もリラックスし癒されます。 美しい景色が四季折々に豊かな表情を見せ、大地のパワーを感ずるべく火山帯国日本だからこそ味わえる醍醐味、これが私たちの愛する温泉です。 日本には沢山の温泉がありますが、源泉の成分はひとつとして同じものはありません。皆さんが旅に出ると決めたときに、もしくは旅先で、自らの身体に合うすばらしい温泉に出会えたならばそれは本当に幸せな事です。私たちを創造した地球のエネルギーを心ゆくまで堪能してください。

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